当社は世界有数のバイヤーとして、年間約180万トンの高品質の銅精鉱を世界各地から安定的に調達しています。JX金属が出資するカセロネス鉱山、ロス・ペランブレス鉱山とエスコンディーダ鉱山を主要な調達先とし、ニーズにあった銅精鉱を長期にわたり安定的に購入しています。あわせてリサイクル原料の活用による非鉄金属資源の有効活用にも力を入れており、社会の持続的な発展に貢献しています。
当社は、JX金属が出資するJX金属製錬佐賀関製錬所と日立工場、三井金属鉱業が出資する日比製煉所へ製錬委託を行っています(日比製煉所から日比共同製錬玉野製錬所へ再委託)。いずれも高い技術力・コスト競争力・生産性を誇り、厳しい環境規制にも対応しています。年間の電気銅生産能力は約65万トン(佐賀関および日立45万トン、玉野20万トン※)で国内最大、世界でも有数の規模であり、製造する電気銅の品質もマーケットで高い評価を受けています。
※総生産能力29万トンのうち当社引き取り分
委託先の製錬所では、貴金属(金・銀・プラチナ・パラジウム)、レアメタル(セレン・テルル)、その他副産品(硫酸・粗硫酸ニッケル・硫酸銅など)を銅の生産工程で効率的に回収し、当社で販売しています。
JX金属製錬の関連会社である日本鋳銅では、電気銅を原料として、伸銅品・電線分野向けの中間素材である型銅(ケークおよびビレット)を生産しています。同社は全連続鋳造設備により、タフピッチ銅、リン脱酸銅、無酸素銅等の多種多様な高品質型銅を生産しています。
銅ができるまでの詳細はこちら当社は、国内外の電線・伸銅等幅広い分野のお客様へ電気銅や型銅を販売しています。販売活動にあたっては、お客様のニーズを満たすため、高い品質の製品をタイムリーにお届けすることを第一に考えています。また経済成長に伴い今後も需要の増加が期待される、中国を中心とした東アジア地域、およびタイを始めとする東南アジア地域に対しては、更に充実したマーケティング活動を展開していきます。
貴金属及びレアメタルについては、お客様のご要求にきめ細かく対応し、高品質製品の販売を行っています。JX金属製錬佐賀関製錬所製造の金地金については、LBMAが定める監査ガイダンスに基づき監査法人より保証報告書を取得しています。硫酸については、三井金属鉱業の亜鉛製錬工程から算出されるものも含めて年間200万トンの硫酸を、全国に広がる生産・輸送中継拠点のネットワークを最大限に活用し、効率的に販売しています。
当社は、チリの鉱山から銅精鉱を輸入する一方、SX-EW法による電気銅生産用として硫酸をチリに輸出しています。日本とチリの間の物流の効率化を図るために、2010年9月に両貨物を輸送できる世界で唯一の「鉱硫船」”MAR CAMINO”号の運航を開始しました。また2013年12月には同設計の姉妹船である”KORYU”号の運航も開始し、合計で年間約400千トンの銅精鉱と約240千トンの硫酸を輸送する体制を整えました。
当社は「銅を主体とする非鉄素材の供給者として、資源と素材の生産性の革新へ寄与することにより地球規模の環境保全に貢献する」ことを環境基本方針としています。当社の製錬・加工委託先では、ISO9001・14001の外部認証取得を通じて、品質マネジメントシステム及び環境マネジメントシステムを構築・運用しています。